NEC Aterm環境でWi-Fi通信断が頻発した原因を調査してみた

自宅のWi-Fi環境で、朝を中心に通信断が頻発するようになった。

最初は単純な電波干渉を疑ったが、調査と対策を繰り返した結果、最終的にはDFSによるチャネル切替が原因だった可能性が高そうだという結論に至った。

今回は、実際に行った切り分けや対策をまとめる。


目次

発生していた症状

最初に気付いたのは、朝の時間帯に突然Wi-Fi通信が切れる現象だった。

  • PC
  • スマートフォン
  • Wi-Fi接続機器

がまとめて通信不能になる。

ただし、最初は「家全体」ではなく、

中継器配下だけ

が切れていた。

中継器のLEDを確認すると、

  • 5GHz
  • 2.4GHz

の両方が消灯していた。

一方、親機側は正常動作していた。

また、時間が経過すると自然復旧することもあった。


当時のネットワーク構成

配置

5GHzをメインに利用しているが、エアコンや監視カメラ等のIoT製品は2.4GHzを使用している。

戸建で複数AP構成にしており、いわゆる「普通の家庭」より少し複雑な構成。

役割 設置場所 機器
親機 1階リビング NEC Aterm WX3000HP
中継器 2階北側の仕事部屋 NEC Aterm WG2600HP3
子機① 1階リビング(テレビ用) NEC Aterm WG1800HP
子機② 2階寝室 NEC Aterm WG2200HP

最初に疑ったのは2.4GHz帯の混雑

Wi-Fi測定アプリで確認したところ、朝9時前後だけ近隣SSIDが大量に増加していることに気付いた。

朝9時前後の2.4GHz帯混雑状況(改善前)

2.4GHz帯のSSIDを数えたところ、約110個ものSSIDが検出された。

一般的な戸建環境としてはかなり多い部類と考えられる。

普段より明らかにSSID数が増えており、2.4GHz帯の混雑が激しくなっていた。

そのため、

2.4GHz帯の干渉によって通信が不安定化しているのではないか

と考えた。


実施した対策①

中継器の2.4GHz停止

まずは中継器側の2.4GHzを停止した。

しかし結果としては、

あまり改善しなかった

多少変化はあったものの、通信断そのものは継続した。

この時点で、

単純な2.4GHz混雑だけが原因ではなさそう

と考えるようになった。


2.4GHz帯の混雑が5GHzへ影響する可能性

当初は、

「2.4GHzと5GHzは別帯域なので関係ないのでは?」

とも考えていた。

実際、周波数帯そのものは別であり、2.4GHzの電波が直接5GHzへ干渉するわけではない。

ただし、実運用では間接的な影響が発生する可能性がある。

例えば今回のように、

  • 親機
  • 中継器
  • 複数SSID
  • 自動チャネル制御
  • バンドステアリング

などを利用している場合、ルータ側では帯域全体を見ながら制御が行われる。

そのため、2.4GHz帯の混雑によって、

  • ローミング判断
  • 中継器負荷
  • CPU負荷
  • 自動チャネル変更
  • バンドステアリング制御

などが発生し、結果的に5GHz側の安定性へ影響を与えるケースがある。

また、中継器では5GHzをバックホール通信に利用している場合も多く、2.4GHz側の不安定化が内部処理全体へ影響する可能性も考えられる。

今回も、

  • 朝だけ2.4GHzのSSIDが大量増加
  • 中継器配下で通信断
  • 5GHzバックホール利用

という状況だったため、当初は2.4GHz混雑を強く疑った。

結果としては、別の原因である可能性が高そうだが、

「2.4GHz混雑がまったく無関係だった」

とまでは言い切れないと感じている。

Wi-Fiトラブルは、単一原因より複数要因が重なるケースの方が多い。


次に疑ったのは電波強度

中継器の設置場所も確認した。

アプリで電波強度を測定すると、2階北側の仕事部屋は思ったより電波状況が悪かった。

そこで構成を変更した。


実施した対策②

親機更新と玉突き構成変更

新たに親機を購入し、既存機器を玉突きで再配置した。

実施内容

  • 新しい親機を購入
  • 旧親機を中継器化
  • 中継器を2階物置へ移設
  • 1階リビングに近い位置へ変更
  • 北側の中継器は子機へ変更

要するに、

「電波の弱い場所へ中継器を置く」のではなく、「親機と安定通信できる場所へ中継器を置く」

構成へ変更した。

この変更後、一旦はかなり改善した。

変更後の配置

役割 設置場所 機器
親機 1階リビング NEC Aterm WX7200D8BE
中継器 2階西側の物置部屋 NEC Aterm WX3000HP
子機① 1階リビング(テレビ用) NEC Aterm WG1800HP
子機② 2階寝室 NEC Aterm WG2200HP
子機③ 2階北側の仕事部屋 NEC Aterm WG2600HP3

新しい親機にWX7200D8BEを選んだ理由

今回、親機には NEC Aterm WX7200D8BE を選定した。

aterm WX7200D8BEのイメージ図

6GHz帯はあえて重視しなかった

WX7200D8BEはWi-Fi 7対応機だが、実際には6GHz帯をメイン利用する想定では選んでいない。

理由はシンプルで、

6GHz帯は減衰が大きく、部屋を跨ぐとかなり厳しい

と感じたためである。

特に戸建環境では、

  • 家具

などの影響を受けやすく、6GHzはどうしても到達距離が短くなる。

そのため、

「親機と同じ部屋で高速通信したい」

用途には向くが、

「家全体を安定してカバーしたい」

用途では、現時点ではまだ扱いづらい印象があった。

今回も実運用では5GHz主体で利用している。


将来構成も考慮した

一方で、WX7200D8BEを選定した理由は将来性にある。

具体的には以下を考慮した。

  • 将来的な10Gbps回線へのアップグレード
  • Wi-Fi 7対応
  • メッシュ構成への移行
  • バックホール高速化
  • 複数端末同時利用

現在の回線では性能を使い切ってはいないが、

「数年単位で使う前提」

で考えると、ある程度余裕を持たせたかった。


しかし今度は家全体が停止

改善したと思った矢先、今度は夕方に10分以上の通信停止が発生した。

しかも今回は、

家全体のWi-Fi通信が停止

していた。

これは最初の症状とは少し違っていた。


DFSが怪しいと考えた理由

ここで疑ったのがDFS(Dynamic Frequency Selection)だった。

DFSとは、5GHz帯で気象レーダーや航空・軍事レーダーなどを検知した場合、自動的にチャネル変更を行う仕組みである。

5GHz帯の一部チャネルはレーダー系と共用されているため、Wi-Fi機器はレーダー波を検知すると、そのチャネルの使用を停止する。

特に今回は、

  • 5GHz利用
  • 中継器構成
  • 長時間停止
  • 時間経過で復旧
  • 米軍基地が比較的近い

という条件が揃っていた。

また、NEC Aterm系では、チャネル自動切替時に中継器とのバックホール接続が不安定化するケースも考えられる。


実施した対策③

チャネル自動設定を停止

そこで、チャネルの自動設定を停止した。

DFS対象チャネルを避ける設定へ変更したところ、現時点ではかなり安定している。


今回の考察

今回の現象は、単一原因ではなく複数要因が重なっていた可能性が高そうだ。

2.4GHz混雑

こちらは「速度低下」や「不安定化」には影響していた可能性がある。

ただし、

10分以上の通信断

については説明しづらい。

DFSによるチャネル変更

一方で、

  • 長時間停止
  • 自然復旧
  • 家全体停止
  • DFS回避後に安定

という点はかなり整合性がある。

そのため、

DFSによるチャネル変更が発生し、中継器とのバックホール接続が切断されていた可能性が高い

と考えている。


まとめ

  • 2.4GHz混雑だけが原因とは限らない
  • 中継器構成ではバックホール切断も疑うべき
  • DFSによるチャネル変更は意外と影響が大きい
  • 「自動設定」が必ずしも最適とは限らない
  • 6GHz帯は戸建では減衰に注意
  • Wi-Fiは「速度」より「安定性」が重要

Wi-Fiトラブルは「再起動したら直った」で終わりがちだが、実際には観測・仮説・検証を繰り返すと原因が見えてくることがある。

最近の家庭内Wi-Fiは、もはや趣味のネットワークラボに近い。

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